SES業界の案件動向調査【2026年】
市場・業界動向

SES業界の案件動向調査【2026年】

公開日:2026/06/16最終更新日:2026/06/16

SES業界の情報メディア「SES Labo」を運営するINSTANTROOM株式会社は、SES企業の営業担当者112名を対象に『SES業界の案件動向調査【2026年】』を実施しました。


本調査では、市場全体の案件総数の変化に加え、エンジニアのレイヤー別の案件数・案件単価の増減傾向、引き合いが増えている技術領域、さらにクライアントの募集要件の変化や若手・ロースキルエンジニアのアサインに関する現場の声まで、幅広く調査しています。


その結果、81.3%が市場全体の案件総数の減少を実感する一方、PM・コンサル・要件定義などの上流工程では62.5%が案件数の増加を実感。働き方別では完全常駐案件の82.1%が増加を実感したのに対し、フルリモート案件では回答者全員が減少を実感しました。


引き合いが増えている領域では「データ分析・AI・DX推進系」が最多となるなど、案件市場が「全体の縮小」と「上流・AI領域・常駐案件への需要集中」という二極化の局面に入りつつあることが明らかになりました。


SES企業の営業担当者やエンジニアの皆様、そしてSES事業の経営者・マネージャーの方々にとって、有益な情報となれば幸いです。

■調査概要

調査期間:2026年5月20日〜6月1日

調査対象者:SES企業の営業担当者

有効回答数:112人

調査手法:インターネット調査

調査主体:INSTANTROOM株式会社

引用・転載時のお願い:

本調査結果(数値データ、グラフ、図表を含む)をご利用の際は、

「出典元:SESLabo」の明示と

調査記事(https://ses-labo.com/trend/ses-project-trends-2026)へのリンク設置をお願いいたします。


1.案件市場全体の動向

SES業界の案件市場は、いまどのような状況にあるのでしょうか。 

まずは市場全体の案件総数の変化と、引き合いが増えている技術領域から、2026年時点の市場感を見ていきましょう。

市場全体の案件総数の変化

市場全体の案件総数は「大幅に増えている」が6.3%、「あまり変わらない」が12.5%、「やや減っている」が62.5%、「大幅に減っている」が18.8%でした。「やや増えている」と回答した人は0人でした。


最多は「やや減っている」の62.5%で、「大幅に減っている」18.8%を合わせた減少実感層は81.3%にのぼり、SES営業の5人に4人が案件総数の減少を体感していることになります。

特に引き合いが増えている領域

特に引き合いが「増えている」と感じる領域は、「データ分析・AI・DX推進系」が81件(34.0%)で最多となりました。次いで「クラウド・インフラ系(AWS、Azure移行など)」が58件(24.4%)、「セキュリティ系」が49件(20.6%)と続きます。


「業務システム・基幹系(金融、製造、流通など)」は28件(11.8%)、「Web・エンタメ系(EC、SNS、ゲームなど)」は21件(8.8%)にとどまり、「その他」は1件(0.4%)でした。


AI・DX、クラウド、セキュリティの上位3領域で全体の約8割を占めており、企業のIT投資がDX推進・基盤刷新・セキュリティ強化に集中していることが読み取れます。

2.レイヤー別の案件動向

案件総数の減少は、すべてのエンジニアに等しく影響しているのでしょうか。

この章では、エンジニアのレイヤー(担当工程・スキル層)別に、案件数と案件単価の増減傾向を見ていきます。

レイヤー別の案件数の増減傾向

PM・コンサル・要件定義などの上流工程では、「大幅に増えている」6.3%、「やや増えている」56.3%を合わせた62.5%が案件数の増加を実感しています。減少の実感は18.8%にとどまり、「大幅に減っている」という回答は0件でした。


一方、設計・開発(ミドル〜ハイスキル層)では増加の実感は12.5%にとどまり、「やや減っている」57.1%、「大幅に減っている」6.3%を合わせた63.4%が減少を実感しています。


さらに運用保守・テスター・監視(ロースキル層)では、「増えている」という回答は0件で、「やや減っている」43.8%、「大幅に減っている」32.1%を合わせた75.9%が減少を実感する結果となりました。


上流工程は6割超が「増加」と回答した一方、ロースキル層は7割超が「減少」と回答しており、レイヤーによって案件数の傾向が正反対になっています。案件の総数が減少傾向にあるなかでも、PM・コンサル・要件定義などの上流工程に需要が集中していることが、わかります。

案件単価の動向

PM・コンサル・要件定義などの上流工程では、「大幅に上がっている」6.3%、「やや上がっている」57.1%を合わせた63.4%が単価の上昇を実感しています。「下がっている」は12.5%にとどまり、「大幅に下がっている」は0件でした。


設計・開発(ミドル〜ハイスキル層)では、上昇の実感は32.1%、「変わらない」が30.4%、下落の実感は37.5%(やや17.9%+大幅19.6%)となっています。


運用保守・テスター・監視(ロースキル層)では、「上がっている」という回答は1件もなく、「変わらない」が50.0%、残りの50.0%が下落(やや30.4%+大幅19.6%)を実感しています。


案件数と案件単価は同じ傾向を示しています。案件数が増えており、上流工程では単価も上がっています。一方、案件数が減っているロースキル層では単価も上がっていません。ロースキル層は、案件数・単価のどちらも厳しい状況にあることが分かります。

3.働き方別の案件動向

案件の増減は、稼働形態(働き方)によっても大きく異なるのでしょうか。

この章では、フルリモート・一部リモート・完全常駐の3つの働き方別に、案件数の増減傾向を見ていきます。

働き方別の案件数の増減傾向

フルリモート案件では、「やや減っている」49.1%、「大幅に減っている」50.9%と、回答者全員(100%)が案件数の減少を実感する結果となりました。「増えている」「変わらない」という回答は1件もありませんでした。


一部リモート案件では、「大幅に増えている」12.5%、「やや増えている」25.0%を合わせた37.5%が増加を実感する一方、「やや減っている」43.8%、「大幅に減っている」6.3%を合わせた50.0%が減少を感じていることがわかりました。


対照的に、完全常駐案件では「大幅に増えている」31.3%、「やや増えている」50.9%を合わせた82.1%が増加を実感し、「減っている」という回答は0件でした。


フルリモート案件は回答者全員が「減少」、完全常駐案件は8割超が「増加」と回答しており、働き方によって案件数の傾向がはっきりと分かれています。リモートを前提とした案件が減り、常駐を前提とした案件が増えていることから、クライアント企業が常駐での稼働を求める傾向を強めていることが、この結果から読み取れます。

4.SES営業のリアルな声から見える現場の変化

最後に、数値だけでは見えない現場の変化について、SES営業の実際の声を見ていきましょう。 回答は趣旨を変えない範囲で、一部表記を調整して掲載しています。

厳しくなるクライアントの募集要件

クライアントからの「エンジニアへの募集要件(スキル要件、面談回数、即戦力性など)」について、最近シビアになったと感じるエピソードを聞きました。

AIの活用によって、コーディング中心の案件は減ってきている印象です。

実務経験が2〜3年あるエンジニアでも、次の案件が決まらず待機しているという声も聞かれます。

AIの使用経験を必須スキルや歓迎スキルに挙げる案件が増えました。

単に開発ができるだけでなく、上流工程やコードレビューまで対応できる人材を求める案件が多くなっています。

生成AIを活用してきた実績が、クライアントからはっきりと求められるようになりました。

スキルが中程度のエンジニアが決まりにくくなりました。特に「スキルは中程度・地方在住でフルリモート希望・年齢が高め」という条件が重なる方は厳しい状況です。


先進的な企業では生成AIを使った開発が前提となり、その中で他者とどう差別化できるかを問われるようになっています。


上記の現場の声に共通しているのは、クライアントが評価する基準が「コードが書けるかどうか」から「AIを使いこなして付加価値を出せるかどうか」へと移っている点です。


コーディングそのものはAIによる代替が進み、その分、上流工程への対応力や生成AIを前提とした差別化が問われるようになりました。開発スキルがあるだけでは評価されにくくなり、「AIをどう活用できるか」が選考を左右するようになってきたことがわかります。

若手・ロースキル層のアサインでの苦労と工夫

若手やロースキルのエンジニアをアサイン(稼働)させるにあたり、最近特に苦労していることや、工夫している取り組みを聞きました。

求められるスキルが高く、面談の設定までこぎ着けること自体が難しくなっています。

単価はできる限り下げる方向で交渉し、SES以外に正社員や契約社員としての案件紹介も視野に入れて、本人と相談しながら進めています。

SESという事業の限界を感じ始めており、今後は別の事業も検討していく必要があると考えています。

案件そのものが減っているわけではありません。ただ、出社頻度の条件が合わず、マッチングできる件数が減っていることは数字にも表れています。

若手やロースキルのエンジニアは、フル常駐ができて単価も低い方でないと、案件が決まりにくくなってきました。


上記の現場の声に共通しているのは、若手・ロースキル層のアサインが難しくなっているという点です。案件数が減っているというより、求められるスキルの高さや、常駐を前提とする条件と合わないことで、マッチングできる件数が減っています。


そのため営業は、単価を下げる、フル常駐に対応する、SES以外の契約形態も提案するなど、従来の枠を超えた対応を迫られています。ロースキル層をどう案件につなげるかが、SES営業のやり方そのものを問い直す課題になっていることがわかります。

5.まとめ

INSTANTROOM株式会社がSES企業の営業担当者112名を対象に実施した本調査では、回答者の81.3%が案件総数の減少を実感していました。しかし、その状況はレイヤーによって大きく異なります。


上流工程では6割超が案件数の増加と単価の上昇を実感する一方、ロースキル層では7割超が案件数の減少を、半数が単価の下落を実感しています。


働き方でも差は鮮明で、フルリモート案件は全員が「減少」、完全常駐案件は8割超が「増加」と回答しており、クライアントの常駐志向が強まっていることがうかがえます。


引き合いが増えている領域はAI・DX、クラウド、セキュリティに集中し、現場の声からは、生成AIの活用が選考の前提になりつつあり、若手・ロースキル層のアサインも条件面の譲歩なしには難しくなっていることが分かりました。


SES市場は「案件があるか」ではなく、「どの領域に、どのレイヤーのエンジニアを、どのような条件で提案できるか」が問われる段階へ移りつつあるといえます。


本調査結果が、SES企業の営業担当者やエンジニアの皆様、そしてSES事業の経営者・マネージャーの方々にとって、参考になれば幸いです。

SES業界の案件動向調査【2026年】に関するよくある質問

SES企業の営業担当者を対象とした調査結果によると、全体の81.3%が案件総数の減少を実感しています。特に「やや減っている」という回答が62.5%を占めており、SES営業の5人に4人が減少を感じています。
調査によると、引き合いが増えている領域の最多は「データ分析・AI・DX推進系」で全体の34.0%を占めます。次いで「クラウド・インフラ系」や「セキュリティ系」が続き、これら上位3領域で全体の約8割を占めています。
PM・コンサル・要件定義などの上流工程では62.5%が案件数の増加を実感している一方、運用保守・テスターなどのロースキル層では75.9%が減少を実感しており、レイヤーによって傾向が正反対となっています。
案件単価も案件数の増減と同様の傾向を示しています。上流工程では63.4%が単価の上昇を実感していますが、運用保守などのロースキル層では上昇したとの回答はなく、半数が単価の下落を実感するなど厳しい状況にあります。
働き方別の案件動向を見ると、フルリモート案件については、回答した営業担当者の全員(100%)が案件数の減少を実感しているという結果が出ました。「増えている」や「変わらない」という回答は1件もなく、減少傾向が非常に顕著です。
フルリモート案件が減少している結果とは対照的に、完全常駐案件では全体の82.1%が案件数の増加を実感しています。「減っている」という回答は0件であり、クライアント企業が常駐での稼働を求める傾向を強めていることが読み取れます。
クライアントの募集要件はよりシビアになっており、単にコードが書けるだけでなく、AIを使いこなして付加価値を出せるかが問われています。AIの使用経験や生成AIを活用した実績が、はっきりと求められるようになりました。
クライアントが求めるスキルの水準が以前より高くなっていることに加え、出社頻度や完全常駐を前提とする条件と合わないことが主な理由です。そのため、面談の設定までこぎ着けること自体が非常に難しくなっているという声が上がっています。
営業担当者は単価をできる限り下げる方向で交渉したり、フル常駐に対応したりするなどの対応を迫られています。また、SES以外に正社員や契約社員としての案件紹介も視野に入れ、本人と相談しながら進めるといった工夫も行われています。
現在の市場は、単に「案件があるか」ではなく、「どの領域に、どのレイヤーのエンジニアを、どのような条件で提案できるか」が問われる段階へと移りつつあります。生成AIを活用した付加価値の提供なども、今後さらに重要な要素となるでしょう。

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この記事の監修者

SES Labo 編集部
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