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営業・採用

SESパートナー募集の探し方5選|IT企業の探し方から選び方・開拓のコツまでわかりやすく解説

SESパートナー企業の探し方でお悩みですか?本記事では、協業先の具体的な見つけ方5選をはじめ、優良企業を見極めるポイントや開拓を成功させるコツまでわかりやすく解説します。エンジニアの稼働率向上や自社の営業課題解決に、ぜひお役立てください。

【この記事の結論】

・SESパートナーは企業間で案件と人材を共有し、自社で不足するリソースを補完し合う協業関係を指します。

・深刻なIT人材不足への対策として、パートナーとの連携は案件の失注を防ぎ事業成長を支える重要戦略です。

・パートナー活用によりエンジニアの待機期間を短縮でき、営業工数を抑えつつ稼働率と収益性を向上させます。

・協業先はマッチングサイトやSNS、交流会で探せますが、技術領域や対応エリアの相性確認が不可欠です。

・取引時は商流の深さや支払いサイト、偽装請負リスクの有無を契約前に確認し、法的トラブルを回避します。


SES事業を展開する中で「パートナー企業を増やしたいが、どこで探せばよいのかわからない」「協業先の開拓に時間がかかり、営業リソースが足りない」といった悩みを抱えていないでしょうか。


エンジニアの待機を減らし、案件獲得の機会を広げるためには、信頼できるSESパートナーとの関係構築が欠かせません。


本記事では、SESパートナー募集の基本的な仕組みから、マッチングサイト・SNS・交流会など具体的な探し方5つの手法、優良パートナーを見極めるためのチェックポイント、そして継続的な協業関係を築くための実践ステップまでわかりやすく解説します。


目次

1.SESのパートナー募集とは?協業の仕組みと重要性

この章では、SESビジネスパートナーの定義と、なぜ今パートナー開拓が事業成長に不可欠なのかを解説します。

SESビジネスパートナーとは

SESビジネスパートナーとは、SES企業同士が案件情報や人材情報を相互に共有し、協力して事業を進める協業関係を指します。


具体的には、自社で対応しきれない案件を他社へ紹介したり、逆に他社から案件を受けて自社エンジニアをアサインしたりする仕組みです。この協業により、単独では獲得できなかった案件に参画できたり、エンジニアの待機期間を短縮できたりするメリットが生まれます。


SES業界では、元請け企業から下請け企業へと仕事が流れる「商流」が存在します。パートナー関係を築く際には、この商流の深さ(何次請けか)を確認することが重要です。

商流が深くなるほど中間マージンが発生し、エンジニアへの還元率や自社の利益率が下がる傾向にあります。良質なパートナーを見つけることは、商流を浅く保ち、収益性を高めることにもつながります。パートナー企業の開拓は、SES事業の安定と成長を左右する重要な経営課題といえるでしょう。

なぜ今、パートナー募集・開拓が重要なのか

IT人材の需要が高まる中、エンジニア不足は多くのSES企業に共通する課題となっています。経済産業省の調査によると、2030年には最大約79万人のIT人材が不足すると予測されており、自社採用だけでは案件に対応しきれない状況が続いています。


こうした環境下で、パートナー企業との協業は人材リソースを補完する有効な手段です。自社に該当スキルを持つエンジニアがいない場合でも、パートナー経由で適切な人材を確保できれば、案件の失注を防げます。

また、パートナーから案件を紹介してもらうことで、自社の営業活動だけでは到達できなかった新規顧客への接点も生まれます。


さらに、2024年以降はDX推進の加速により、インフラ・クラウド・AI関連など特定領域の案件が増加しています。得意分野が異なるパートナーと連携することで、幅広い案件に対応できる体制を構築できます。

パートナー開拓は、競争が激化するSES市場で生き残るための必須戦略といえるでしょう。

2.SESパートナーを持つメリット

この章では、SESパートナーと協業することで得られる3つの具体的なメリットを解説します。

エンジニアの稼働率向上につながる

パートナー企業との連携により、自社エンジニアの稼働率を高く維持できます。自社営業だけでは案件獲得に限界があり、どうしてもエンジニアの待機期間が発生してしまうことがあります。

パートナーから案件を紹介してもらえれば、この待機期間を短縮し、稼働率を改善できます。稼働率の向上は、エンジニア1人あたりの売上増加に直結します。SESビジネスでは人件費が最大のコストであるため、待機期間中も給与を支払い続けることは経営上の大きな負担です。

複数のパートナーと関係を構築しておくことで、案件の選択肢が増え、エンジニアのスキルや希望に合った案件を見つけやすくなります。また、エンジニア自身にとっても、継続的に案件に参画できる環境はモチベーション維持につながります。待機が長引くことによる不安や離職リスクを軽減できる点も、見逃せないメリットです。

営業負担を軽減できる

パートナー経由で案件を獲得できれば、自社の営業活動にかかる工数やコストを削減できます。新規顧客の開拓には、アポイント取得から商談、契約締結まで多くの時間と労力が必要です。

パートナー企業がすでに関係を構築している顧客からの案件であれば、こうしたプロセスを省略できます。特に中小規模のSES企業では、営業専任の人員を十分に確保できないケースも少なくありません。パートナーとの協業は、限られたリソースで効率的に案件を獲得する手段として有効です。

営業にかけていた時間をエンジニアのフォローや採用活動に振り向けられるようになり、組織全体の生産性向上にもつながります。ただし、パートナー経由の案件に依存しすぎると、自社の営業力が育たないリスクもあります。パートナー営業と自社営業のバランスを意識しながら、事業を拡大していくことが大切です。

幅広い案件・プロジェクトに携われる

パートナーとの協業により、自社だけでは接点を持てなかった業界や技術領域の案件に参画できるようになります。SES企業にはそれぞれ得意とする分野があり、金融系に強い会社、Web系に強い会社、インフラ構築が得意な会社など特色が異なります。

異なる強みを持つパートナーと連携すれば、自社エンジニアが経験を積める案件の幅が広がります。案件の多様化は、エンジニアのスキルアップにもつながります。同じような案件ばかりでは技術が偏りがちですが、さまざまなプロジェクトを経験することで市場価値の高いエンジニアを育成できます。

結果として、高単価案件への参画機会も増えていくでしょう。

また、大手SIerやエンドユーザー企業に近いパートナーと関係を築ければ、商流の浅い案件を獲得できる可能性も高まります。パートナー開拓は、事業の質的向上にも寄与する取り組みです。

3.SESパートナーを見つける具体的な方法【5つの手法】

この章では、SESパートナー募集企業を探し、協業関係を構築するための具体的な5つの手法を紹介します。

マッチングサイト・募集プラットフォームの活用

SESパートナーを効率的に探す方法として、専用のマッチングサイトやプラットフォームの活用が挙げられます。これらのサービスでは、案件情報や人材情報をオンライン上で相互に共有でき、条件に合うパートナー企業を検索・発見できます。

従来の電話やメールでの営業と比べて、短時間で多くの企業にアプローチできる点が大きな利点です。


代表的なサービスとして「FreelanceBase(フリーランスベース) 」があります。FreelanceBaseは、フリーランスエージェントやSES企業向けに特化したCRMツールで、人材・企業・案件・提案の一元管理が可能です。

ノーコードで自社案件サイトを構築でき、集客から契約、請求・支払いまでの業務をワンストップで効率化できます。インボイス制度や電子帳簿保存法にも対応しており、法令遵守の観点からも導入メリットがあります。

導入企業は100社以上にのぼり、フリーランスボード などの集客媒体との連携も可能です。


その他にも、エンジニアダッシュ やWhiteBoxなど複数のマッチングプラットフォームが存在します。無料で利用できるサービスも多いため、まずは複数登録して自社に合うものを見極めるとよいでしょう。

企業HPの募集ページから直接アプローチする

多くのSES企業は、自社ホームページにパートナー募集ページを設けています。「SES パートナー募集」「協業パートナー募集」などのキーワードで検索すると、パートナーを求めている企業を見つけられます。

直接アプローチすることで、マッチングサイトを介さない1対1の関係構築が可能です。企業HPへの直接アプローチでは、事前にその企業の事業内容や得意領域をリサーチしておくことが重要です。自社との補完関係を明確にしたうえで問い合わせれば、返信率も高まります。

問い合わせフォームには、自社の会社概要、対応可能なスキル領域、希望する協業形態などを具体的に記載しましょう。ただし、1社ずつアプローチするため効率面では劣ります。優先的にアプローチしたいターゲット企業をリスト化し、計画的に営業活動を進めることをおすすめします。

X(旧Twitter)などSNSで情報収集する

X(旧Twitter)をはじめとするSNSは、SESパートナー開拓の有効なチャネルになっています。「#SES案件」「#パートナー募集」「#エンジニア募集」などのハッシュタグで検索すると、リアルタイムで案件情報や協業希望の投稿を見つけられます。SES営業担当者が個人アカウントで情報発信しているケースも多く、直接コンタクトを取りやすい点が特徴です。


SNS活用のメリットは、相手企業の発信内容から社風や営業スタイルを事前に把握できることです。日頃の投稿を見ることで、信頼できる企業かどうかの判断材料になります。

また、自社アカウントで積極的に情報発信すれば、パートナー候補から声をかけてもらえる可能性も生まれます。


一方で、SNS上の情報はすべてが正確とは限りません。実際に取引を始める前には、会社概要の確認や対面での打ち合わせを行い、信頼性を確かめることが大切です。

SES交流会・名刺交換会への参加

オフラインの交流会や名刺交換会は、パートナー開拓の場として根強い人気があります。


SES業界向けのイベントでは、同じ目的を持った企業の担当者が集まるため、効率的に関係構築を進められます。直接顔を合わせて話すことで、オンラインのやり取りだけでは得られない信頼関係を築けるのが強みです。


交流会では、名刺交換だけで終わらせず、その場で具体的なニーズをヒアリングすることがポイントです。「どのような案件を扱っているか」「どのスキルのエンジニアを求めているか」といった情報を交換することで、帰社後のフォローがスムーズになります。


交流会の情報は、業界団体のWebサイトやSNS、マッチングサービスの告知などで確認できます。定期的に開催されているイベントも多いため、継続的に参加してネットワークを広げていくとよいでしょう。

既存取引先・知人からの紹介を受ける

最も信頼性の高いパートナー開拓手法は、既存の取引先や知人からの紹介です。すでに関係のある企業からの紹介であれば、相手企業の信用度がある程度担保されており、取引開始までのハードルが低くなります。

紹介元との関係性があるため、トラブルが起きにくいというメリットもあります。紹介を受けるためには、日頃から既存パートナーとの関係を良好に保つことが前提です。


約束を守る、レスポンスを早くする、エンジニアのフォローを丁寧に行うといった基本的な対応の積み重ねが、「この会社なら紹介しても大丈夫」という信頼につながります。


また、業界内の勉強会やセミナーで知り合った人脈も、紹介のきっかけになります。直接的な営業目的でなくても、さまざまな場で人間関係を築いておくことが、中長期的なパートナー開拓につながります。

4.SESパートナー募集企業の探し方のコツ

この章では、大手から中小まで、パートナー募集企業を効率的に探すためのコツと情報源を紹介します。

大手SES企業のパートナー募集はどこで探せるか

大手SES企業やSIerのパートナー募集情報は、各社のコーポレートサイトで公開されているケースが多くあります。


「パートナー募集」「協力会社募集」「ビジネスパートナー」「SESパートナー」などのページが設置されており、問い合わせフォームから申請できる仕組みが一般的です。たとえば、コムチュア、テクバン、スカイムなどは、Webサイト上でパートナーを広く募集しています。


大手との取引は、安定した案件供給や信用力の向上といったメリットがあります。ただし、取引条件や手続きが定められていることが多く、審査や手続きに時間がかかる場合もあります。自社の会社概要、体制、実績、対応可能領域を整理したうえでアプローチすることが大切です。


また、大手の中にはビジネスパートナーの一覧や、パートナー向けの方針を公開している企業もあります。募集ページだけでなく、関連ページもあわせて確認しておくと、ミスマッチを減らしやすくなります。


業界メディアやSES関連の情報サイトでも、パートナー募集企業のリストが公開されていることがあります。定期的にチェックして、新たな候補を見つける習慣をつけておくとよいでしょう。

中小・ベンチャーSES企業の探し方

中小・ベンチャー規模のSES企業を探すには、マッチングプラットフォームやSNSの活用が効果的です。大手と比べて情報がまとまっていないことが多いため、複数の情報源を組み合わせてリサーチする必要があります。


「SES 企業一覧」「IT派遣 パートナー募集」などのキーワードで検索し、候補となる企業をリストアップしていきましょう。中小企業との取引には、意思決定が早い、柔軟な対応が期待できる、商流が浅い案件を持っている可能性があるといったメリットがあります。


大手との取引だけでなく、中小企業との関係も並行して構築することで、案件ポートフォリオを分散できます。注意点として、中小企業の場合は与信管理をしっかり行う必要があります。


取引開始前に会社の基本情報や評判を確認し、契約条件(支払いサイト、検収条件、再委託可否など)を事前にすり合わせて、リスクを最小限に抑えることが大切です。

無料サイトと有料サービスはどう使い分けるか

SESパートナー探しに活用できるサービスには、無料のものと有料のものがあります。それぞれの特徴を理解し、自社の状況に応じて使い分けることが重要です。


無料サービスと有料サービスの比較

項目

無料サービス

有料サービス

初期コスト

なし

月額費用や成功報酬が発生する場合がある

利用企業数

多い(参入障壁が低い)

比較的少ない傾向がある

案件・人材の質

玉石混交

一定の審査を通過した情報が中心になりやすい

サポート体制

限定的

専任担当によるサポートがある場合がある

適したケース

まず試したい、コスト重視

効率重視、質を求める場合

パートナー開拓を始めたばかりの段階では、無料サービスで市場の感覚をつかむのがおすすめです。ある程度の取引量が見込めるようになったら、有料サービスも検討してマッチング精度や効率を高めていくとよいでしょう。


複数のサービスを併用しながら、自社にとって最適な組み合わせを見つけてください。

5.SESパートナーを選ぶときのポイント

この章では、協業先を選定する際に確認すべき4つのチェックポイントを解説します。

対応エリアが自社と合っているか

パートナー企業を選ぶ際、対応可能なエリアの確認は大切です。自社エンジニアの通勤可能範囲とパートナーが持つ案件のエリアが合致しなければ、マッチングの機会が生まれません。

首都圏のみ対応なのか、関西や名古屋など地方都市の案件も扱っているのかを事前に確認しましょう。近年はリモートワーク可能な案件も増えていますが、一部リモート可能な案件もあり、すべての案件がフルリモートとは限りません。客先常駐が前提の案件では、エリアの制約が依然として存在します。

全国展開しているパートナーと連携すれば、エンジニアの居住地に関わらず案件を紹介しやすくなります。また、エリアごとの単価相場も異なります。東京都心部と地方では同じスキルでも単価に差があるため、パートナー選定時には単価感も含めて擦り合わせておくことが大切です。

得意領域やスキルがマッチするか

パートナー企業が扱う案件の技術領域と、自社エンジニアのスキルセットが合致するかを確認しましょう。


Web系開発が得意な企業と、インフラ構築を強みとする企業では、求められるエンジニアのスキルが大きく異なります。ミスマッチを防ぐため、得意領域を明確にしたうえでパートナーを選びましょう。


具体的には、以下のような観点でチェックします。

  • 主に扱っている開発言語・フレームワーク(Java、Python、Ruby、PHPなど)

  • 案件の種類(業務系、Web系、組込み系、インフラなど)

  • 求められる経験年数やスキルレベル

  • プロジェクトの規模感(大規模SIer案件か、スタートアップ案件か)

自社エンジニアのスキルマップを整理しておくと、パートナーとの相性を判断しやすくなります。補完関係にあるパートナーと組むことで、対応できる案件の幅を広げられます。

ロースキル・インフラ・ヘルプデスクに対応できるか

経験の浅いエンジニアやインフラ・ヘルプデスク領域の人材を抱えている場合、それらに対応した案件を持つパートナーかどうかを確認しましょう。すべてのSES企業がロースキル案件を扱っているわけではなく、即戦力のミドル〜ハイスキル人材のみを求めているケースもあります。


若手エンジニアの育成を重視している企業であれば、研修後に参画できるポジションや、チーム体制で入れる案件を持つパートナーとの連携が有効です。「未経験可」「研修あり」といった条件の案件を扱っているか、事前に確認しておきましょう。


インフラエンジニアやヘルプデスク人材も、IT人材市場では一定の需要があります。開発案件だけでなく、運用・保守系の案件も扱うパートナーと関係を築くことで、多様な人材を稼働させられる体制が整います。

人材数に余裕があるか

パートナー企業が抱えるエンジニアの人数や、案件を紹介できるキャパシティも確認すべきポイントです。案件を受けても人材を供給できない、あるいは人材を紹介しても受け入れ先がないといった状況では、協業が成り立ちません。


継続的に取引を行うためには、ある程度の規模感を持つパートナーが安心です。とはいえ、規模が小さくても特定領域に強みを持つ企業との連携は価値があります。パートナーの現状のキャパシティと今後の事業方針を把握しておくことが大切です。


初回の打ち合わせで「現在の稼働エンジニア数」「月間の案件紹介件数」「今後の採用計画」などをヒアリングしておくと、長期的な協業の可能性を判断しやすくなります。

6.優良なSESパートナー企業の見極め方と注意点

この章では、トラブルを避け、安心して協業できるパートナーを見極めるためのチェックポイントを解説します。

商流の深さと支払いサイトを確認する

SESパートナーを選定する際、商流の深さ(何次請けか)と支払いサイト(請求から入金までの期間)は必ず確認すべき項目です。


商流が深くなるほど中間マージンが発生し、エンジニアへの還元や自社の利益が少なくなります。エンドユーザーや元請けに近い位置にいるパートナーとの取引を目指しましょう。


支払いサイトは、取引全体では30日や60日が目安として語られることが多く、代表例として「月末締め翌月末払い(約30日)」「月末締め翌々月末払い(約60日)」などがあります。キャッシュフローに影響するため、自社の資金繰りと照らし合わせて問題がないか確認してください。


また、取適法(旧 下請法)が適用される取引では、原則として支払期日を「受領日(役務提供委託の場合は役務が提供された日)から起算して60日以内」に定める必要があります。支払条件が長い場合は、取引形態や適用有無も含めて確認しておくと安心です。


支払いサイトの例

支払条件

支払いサイト

備考

月末締め翌月末払い

約30日

比較的早い

月末締め翌々月10日払い

目安:40〜70日程度

締め日・受領日次第で変動しやすい

月末締め翌々月末払い

約60日

キャッシュフローに注意

支払いサイトが長すぎる企業との取引は、資金繰りを圧迫するリスクがあります。取引開始前に条件を明確にしておくことが大切です。

偽装請負リスクを回避する契約チェックポイント

SES契約においては、偽装請負にならないよう注意が必要です。


偽装請負とは、契約書上は請負や業務委託の形でも、実態として発注者側がエンジニアに直接指示を出したり、出退勤・勤務時間などを管理したりしている状態を指します。判断は契約の名称ではなく、現場の実態で行われます。


偽装請負を回避するために、以下のポイントを契約時と運用開始前に確認しましょう。

  • 発注者がエンジニア個人に直接、業務の指示や命令を行う運用になっていないか

  • 受託側(SES企業)に、業務の進め方や手順を管理する責任者・体制があるか

  • 発注者が出退勤や勤務時間、休暇申請などを直接管理していないか

  • 事前面接や履歴書送付など、エンジニア個人を特定するための行為を求められていないか

パートナー企業がこうしたコンプライアンス意識を持っているかどうかも、信頼性を測る重要な指標です。法令遵守の姿勢がない企業との取引は、自社にもリスクが及ぶ可能性があります。

与信・評判の事前リサーチでトラブルを防ぐ

新規パートナーとの取引を開始する前に、与信調査と評判の確認を行うことでトラブルを未然に防げます。


与信調査とは、取引先企業の財務状況や信用力を確認することです。資金繰りが悪化している企業と取引を始めると、支払い遅延や未払いが発生するリスクがあるため、事前の確認が欠かせません。


与信調査の方法としては、帝国データバンクや東京商工リサーチなどの企業信用調査会社が提供するレポートを活用するのが一般的です。また、国税庁の法人番号公表サイトで基本情報を確認したり、登記情報提供サービスで登記内容を調べたりすることも有効でしょう。


評判については、業界内の口コミやSNSでの評価が参考になります。ただし、匿名の情報には不正確なものも含まれるため、複数の情報源を照らし合わせて判断することが大切です。

既存パートナーや業界の知人に直接評判を聞いてみるのも、信頼性の高い情報を得る手段として有効です。

7.パートナー開拓を成功させる実践ステップ

この章では、パートナー開拓を計画的に進め、継続的な協業関係を構築するための3つのステップを解説します。

ターゲットリストを作成する

パートナー開拓を効率的に進めるには、まずアプローチするターゲット企業のリストを作成することから始めましょう。リストの上から順にただ単に営業を行うのではなく、自社の強みや弱みを分析し、補完関係を築けそうな企業をピックアップします。


ターゲットリストには、以下の情報を整理しておくと便利です。

  • 会社名・所在地

  • 事業内容・得意領域

  • 対応エリア

  • 連絡先(電話番号・メールアドレスなど)

  • 部署名・担当者名

  • 企業サイトURL

  • アプローチ状況(未着手・連絡済・商談中など)

  • 次のアクション(次回連絡日、確認事項など)

リスト作成の際は、大手・中小・ベンチャーをバランスよく含めることをおすすめします。1社への依存度が高くなると、その企業との関係が悪化した際に影響を受けやすくなります。


複数のパートナー候補を持っておくことで、リスク分散にもなります。

アプローチ手段を決める

ターゲットリストが完成したら、各企業へのアプローチ手段を決定します。アプローチ方法は、企業の特性や自社のリソースに応じて選択しましょう。


アプローチ手段の特徴

アプローチ手段

特徴

向いているケース

問い合わせフォーム

記録が残る、公式窓口に届く

大手企業、初回コンタクト

電話

つながれば早い、相手の都合に左右される

中小企業、急ぎの確認

SNSのDM

担当者に直接届く場合がある、SNS利用状況に左右される

SNSを活用している企業、担当者と直接つながりたい場合

交流会での名刺交換

対面で信頼を作りやすい、短時間で接点を増やせる

関係構築を重視したい場合

紹介依頼

信頼されやすい、機会は限定的

既存取引先経由で広げたい場合

最初のアプローチで成約に至ることは多くありません。1回のコンタクトで終わらせず、定期的なフォローを継続することが重要です。

月1回程度の情報交換を続けることで、タイミングが合ったときに取引につながります。

継続的な協業関係を築く

パートナーを見つけて取引を開始した後も、関係を維持・発展させる努力が欠かせません。一度取引しただけで疎遠になってしまうと、せっかく築いた関係が途切れてしまいます。継続的な協業関係を構築するためのポイントを押さえておきましょう。


まず、基本的な対応を丁寧に行うことが重要です。メールや電話への返信を早くする、約束を守る、エンジニアのフォローを適切に行うなど、当たり前のことを徹底してください。信頼は日々の小さな積み重ねで築かれます。


次に、定期的なコミュニケーションを心がけましょう。案件のやり取りがない時期でも、情報交換や近況報告の連絡を入れることで関係を維持できます。半年に1回程度は対面で会う機会を設けるのも効果的です。


また、双方にメリットのある関係を意識することも大切です。自社の利益だけを追求するのではなく、パートナー企業にとっても価値のある提案を心がけてください。長期的な視点で関係を育てることが、安定した事業運営につながります。

8.まとめ

本記事では、SESパートナー募集の基本的な仕組みから、マッチングサイト・SNS・交流会など具体的な探し方5つの手法、優良パートナーを見極めるためのチェックポイント、そして継続的な協業関係を築くための実践ステップまで幅広く解説してきました。


SESパートナーの開拓は、エンジニアの稼働率向上と営業効率化を同時に実現できる有効な施策です。自社だけで案件を回し続けることに限界を感じている場合、パートナー企業との協業を本格的に検討することをおすすめします。


まずはマッチングサービスへの登録やターゲットリストの作成など、小さな一歩から始めてみてください。複数のチャネルで接点を増やしながら、自社と相性の良いパートナーを見極めていくプロセスが大切です。


IT人材不足が続く中、SES企業同士の協業体制の重要性は今後ますます高まっていくと予想されます。信頼できるパートナーネットワークを構築し、安定した事業基盤を築いていきましょう。


本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。