【この記事の結論】
・エンド開拓は発注元企業と直接契約することで中間マージンを排除し、高い利益率とエンジニアへの還元向上を実現する手法です。
・主なターゲットは事業会社やWebサービス企業であり、相手の課題に合わせた的確な技術提案が案件獲得の成否を分けます。
・CRMツールでの情報共有と属人化の排除は、複数の見込客へ効率的にアプローチし続けるための最重要要件といえます。
・商談では開発体制や技術要件を詳細に確認し、受注後もクライアントとエンジニアの双方を定期的にフォローすることが重要です。
・倒産や未回収を防ぐための与信管理を徹底し、小規模なうちはパートナー企業との協業から段階的に実績を積むのが安全な戦略です。
SES企業の営業担当者にとって、エンド開拓は事業成長を左右する重要なテーマです。
「エンド企業との直接取引を増やしたいが、具体的にどう営業すればいいのか分からない」「商流が深くなりがちで利益率が上がらない」といった課題を抱える方も多いのではないでしょうか。
エンド開拓とは、最終的にシステムを利用する企業(エンドユーザー)に対して直接営業をかけ、案件を獲得する活動を指します。SIerやパートナー企業を介さずに契約を結ぶことで、商流が浅くなり利益率の向上が期待できます。
本記事では、SES企業がエンド開拓を行う必要性から、具体的な営業先の種類、実践的な開拓方法と手順、成功のコツ、そして注意点までをわかりやすく解説します。
目次
1.SES企業がエンド開拓をする必要性とは
この章では、SES業界における「エンド」の定義から、エンド開拓が利益率向上につながる仕組み、そしてリスク面までを解説します。
SES業界における「エンド」の意味と定義
SES業界における「エンド」とは、システム開発を最初に発注し、完成後にそのシステムやサービスを利用する発注元企業(官公庁などを含む)のことを指します。
一般的にエンドユーザー、エンドクライアント、エンド企業などと呼ばれ、自社の業務効率化やサービス展開のためにシステム開発を必要としている組織が該当します。たとえば、金融機関が社内システムを刷新する場合、その金融機関がエンド企業となります。
SES企業にとって、このエンド企業と直接契約を結ぶことを「エンド開拓」あるいは「エンド直案件の獲得」と呼びます。エンド開拓が成功すれば、商流が浅くなり中間に入る事業者の段階が減るため、受注単価を高く維持しやすくなります。
エンド企業と元請け(SIer)の違い
エンド企業は「システムを発注し、利用する側」であり、元請け(SIer)は「エンド企業と契約し、システム開発を取りまとめる側」という点で役割が異なります。
エンド企業は自社の事業運営のためにシステムを必要としており、開発そのものが本業ではない場合が多いです。一方、SIer(システムインテグレーター)は、エンド企業などからシステム開発を受注し、要件定義、設計、開発、テスト、運用・保守までを担うことがあります。
エンド企業と元請け(SIer)の比較
項目 |
エンド企業 |
元請け(SIer) |
|---|---|---|
立場 |
システムの発注者・利用者 |
エンド企業と契約し、開発を取りまとめる受託者 |
主な業種 |
金融、製造、小売、通信、官公庁など |
IT企業、システム開発会社など |
SES企業との関係 |
直接契約(商流が最も浅い) |
案件を仲介・発注(商流が1段階深い) |
SES企業がどちらと契約するかによって、商流の深さと利益率が大きく変わります。
エンド直案件で利益率が向上する理由
エンド企業と直接契約するエンド直案件では、中間に入る事業者の段階が減るため、利益率が向上しやすくなります。
SES業界の商流構造では、案件がエンド→元請け→二次請け→三次請けと流れることがあり、再委託の段階が増えるほど中間コストの影響を受けやすくなります。
エンド直案件を獲得できれば、同じエンジニアを稼働させても受注単価が高くなりやすく、その結果、企業の粗利が増加しエンジニアへの還元率を高めることも可能です。還元率が上がれば、エンジニアの満足度向上や優秀な人材の確保にもつながります。
エンド開拓のデメリットとリスク
エンド開拓は利益率向上に有効ですが、営業コストの増加や取引条件のハードルといったリスクも伴います。エンド企業は取引先の選定に慎重であり、与信審査や取引口座の開設に時間がかかることがあります。大手企業ほどセキュリティ要件や実績要件が厳しく、設立間もないSES企業では取引開始までのハードルが高くなるケースもあります。
また、エンド開拓に注力するあまり、既存のパートナー企業との関係が希薄になると、案件の安定供給に影響が出る可能性もあります。テレアポや訪問営業にかかる人件費・交通費などのコストも考慮が必要です。
エンド開拓は中長期的な視点で取り組むべき施策であり、既存取引とのバランスを見ながら進めることが重要です。
2.SES営業の主なエンド開拓先の種類
この章では、SES企業がエンド開拓を行う際の主な営業先として、エンドクライアント、Webサービス企業、大手SIer、パートナーSES企業の4種類を解説します。
エンドクライアント
エンドクライアントは、SES企業にとって商流が最も浅く、最も利益率の高い案件を獲得できる営業先です。
エンドクライアントとは、自社の事業運営のためにシステム開発を必要としている企業のことです。主に大手製造業、金融機関、通信会社、小売業などの上場企業が該当します。
これらの企業は既存事業のシステム刷新や新規事業の立ち上げに際して、一時的に開発リソースが不足することがあります。エンドクライアントと直接契約できれば、中間マージンがないため単価が高くなり、エンジニアへの報酬還元も楽になります。
さらに、大規模案件を複数名のチーム体制で受注できる可能性もあり、エンジニアの帰属意識向上にも寄与します。ただし、取引開始までのハードルは高めです。別の営業先も並行して検討しましょう。
Webサービス企業
Webサービス企業は、技術トレンドの変化が速く、継続的にエンジニアリソースを必要とするためエンド開拓の有力候補です。
Webサービス企業とは、インターネット上でサービスを提供している企業を指します。ECサイト運営会社、SaaS提供企業、メディア運営会社などが代表例です。
これらの企業はサービスの開発・リリース・運用保守・機能追加を継続的に行っており、自社だけでは対応しきれない開発ニーズが発生します。
Web業界は技術の進化が速く、新しいフレームワークやプログラミング言語への対応が求められます。自社の得意領域と合致するWebサービス企業を開拓できれば、長期的な取引関係を構築できる可能性があります。
大手SIer
大手SIerは、複数の大規模プロジェクトを同時進行しており、SESエンジニアの需要が安定的に見込める営業先です。
SIer(システムインテグレーター)は、エンド企業からシステム開発を一括で受注し、設計から運用までを担います。大手SIerは常に複数案件を抱えているため、プロジェクトの規模拡大やメンバー交代に伴って外部リソースを必要とする場面が頻繁に発生します。
エンド企業との直接契約に比べると商流は1段階深くなりますが、大手SIerとの取引実績は信用力の向上につながります。また、案件数が豊富なため、エンジニアの稼働率を安定させやすいというメリットもあります。
大手SIerとの関係構築と並行して、同業他社との連携も検討しましょう。
パートナーSES企業
パートナーSES企業との連携は、自社の弱みを補完しながら案件獲得の幅を広げる有効な手段です。
同業のSES企業と協力関係を築くことで、自社では対応できないスキル領域の案件を紹介し合ったり、リソースが不足した際にエンジニアを融通し合ったりすることが可能になります。これにより、単独では獲得が難しい案件にも対応できるようになります。
たとえば、自社がJava開発に強みを持ち、パートナー企業がインフラ領域に強い場合、両社で連携することで幅広い案件に対応できます。また、パートナー企業が保有するエンド案件を紹介してもらえることもあります。
3.SES企業のエンド開拓営業の方法
この章では、テレアポやメール営業、交流会参加など、SES企業がエンド開拓を行う際の具体的な営業手法を5つ紹介します。
テレアポをする
テレアポは、ターゲット企業の担当者と直接会話できるため、SES企業のエンド開拓において即効性の高い営業手法です。
電話をかけて担当者につながれば、相手の課題をその場でヒアリングし、自社の強みや実績を直接アピールできます。IT業界ではエンジニア不足が続いているため、他業界と比較してアポイント取得率が高い傾向にあります。
テレアポを成功させるポイントは、事前準備と簡潔なトークスクリプトです。相手企業の事業内容や求人情報を調べた上で電話をかけ、「どのような課題を解決できるか」を端的に伝えましょう。
テレアポ成功のポイント
事前に企業の採用情報や技術スタックを調査する
30秒以内に自社の強みと提案内容を伝える
担当者不在の場合は折り返し可能な時間帯を確認する
電話での営業と併せて、メールでのアプローチも効果的です。
メール・問い合わせフォームで営業する
メールや問い合わせフォームを活用した営業は、相手の時間を拘束せず、一度に多くの企業へアプローチできる効率的な方法です。
メール営業は、受信者が都合の良いタイミングで内容を確認できるため、電話よりも心理的なハードルが低いというメリットがあります。また、送信履歴が残るため、「いつ・誰に・どのような内容を送ったか」を社内で共有しやすく、営業活動の効果検証にも活用できます。
ただし、メールは開封されないまま埋もれてしまうリスクがあります。件名で興味を引き、本文は簡潔にまとめることが重要です。
テレアポとの併用で効果を高めましょう。対面での接点を作りたい場合は、交流会への参加も選択肢になります。
IT交流会・セミナーに参加する
IT交流会やセミナーへの参加は、営業先の担当者と直接関係を構築できる貴重な機会です。
IT業界やSES業界に特化した交流会では、エンジニアリソースを求めている企業の担当者と出会える可能性があります。名刺交換をきっかけに後日連絡を取り、商談につなげるという流れが一般的です。
ただし、交流会の場で積極的に営業トークを展開するのは逆効果になることもあります。参加者の多くは情報交換やネットワーキングを目的としているため、まずは関係構築を優先し、後日改めて営業アプローチをかけるのが効果的です。
より効率的にターゲット企業を見つけたい場合は、マッチングサービスの活用も検討しましょう。
企業マッチングサービスを利用する
企業マッチングサービスは、SESの案件獲得やパートナー探しに特化したプラットフォームであり、効率的にエンド開拓を進められます。マッチングサービスに登録すると、自社の強みや希望条件を設定でき、条件に合った案件情報を受け取ることができます。
SESに特化したサービスでは、エンドクライアントやSIerからの直接案件が掲載されていることもあり、商流の浅い案件を効率的に探すことが可能です。また、エンド開拓の営業活動を効率化するには、SES企業向けのCRMツールを併用することも有効です。
たとえば「FreelanceBase(フリーランスベース)
」は、フリーランスエージェント・SES企業に特化したCRMであり、人材・企業・案件・商談を一元管理できます。
クライアント企業やパートナー企業の情報を整理し、提案状況を可視化することで、エンド開拓の営業活動を効率的に進められます。導入企業は100社以上にのぼり、集客から契約・請求までをワンストップで管理できる点が特徴です。
マッチングサービスやCRMツールには月額料金が発生するものもあるため、自社の営業規模や課題に照らして費用対効果を検討した上で導入を判断しましょう。
既存クライアント・パートナーから紹介をもらう
既存クライアントやパートナー企業からの紹介は、信頼性が高く成約につながりやすいエンド開拓の方法です。
すでに取引実績のある企業からの紹介であれば、紹介先の企業も一定の安心感を持って話を聞いてくれます。紹介元が自社のサービス品質を理解しているため、ミスマッチも起きにくくなります。
紹介を依頼する際は、希望する案件の条件や自社の強みを具体的に伝えることが重要です。「◯◯領域で案件を探している」「◯名規模のチームで参画可能」など、紹介しやすい情報を提供しましょう。
4.SES企業のエンド開拓営業の手順
この章では、新規開拓リストの作成からアポイント取得、商談、受注後のフォローまで、エンド開拓営業の流れを4つのステップで解説します。
新規開拓リストの作成
エンド開拓営業の第一歩は、ターゲットとなる企業を選定し、優先順位をつけたリストを作成することです。
リスト作成では、企業の公式サイトや求人情報、業界ニュースなどを参考に、エンドクライアント候補やSIer、Webサービス企業をピックアップします。企業名、所在地、事業内容、連絡先、想定される技術領域などをまとめておくと、営業活動がスムーズになります。
リストは営業優先度の高い順に並べ、CRM(顧客管理システム)やSFA(営業支援システム)、あるいはスプレッドシートで管理します。社内で共有することで、同じ企業への重複アプローチを防ぐことができます。
リストに含めるべき情報
企業名・業種・事業内容
連絡先(電話番号・メールアドレス・問い合わせフォームURL)
想定される技術ニーズ(言語・フレームワークなど)
営業優先度(高・中・低)
リストが完成したら、アポイント取得の活動に移ります。
アポイント取得のための活動
リストをもとに、優先度の高い企業から順にアプローチし、商談のアポイントを取得します。アポイント取得の方法としては、テレアポ、メール営業、問い合わせフォームからのメッセージ送信が一般的です。
SES業界ではエンジニアニーズが高いため、他業界と比較して担当者につながりやすい傾向があります。アプローチの際は、相手企業の課題に対して自社がどのような価値を提供できるかを簡潔に伝えましょう。「◯◯領域のエンジニアを◯名体制でご提案可能です」など、具体的な情報があると興味を持ってもらいやすくなります。
商談をする
商談では、相手企業のニーズを深くヒアリングし、自社の強みと実績を的確にアピールすることが重要です。商談の場では、まず相手企業が求めているエンジニアの人数、スキルセット、参画期間、予算感などをヒアリングします。
その上で、自社で対応可能な領域や実績、提案できるエンジニアの情報を提示します。ヒアリング内容と提案内容は、商談後すぐにまとめて社内共有しましょう。
お礼のメールや追加提案を迅速に行うことで、成約率を高めることができます。
商談でヒアリングすべき項目
案件の概要(開発内容・技術スタック)
必要なエンジニアの人数とスキルレベル
参画期間と稼働開始時期
予算感・単価の目安
商談が成功して受注できた後も、重要なステップが残っています。
受注後のフォローを行う
受注後のフォローは、継続的な取引関係を構築し、追加案件や紹介を獲得するために欠かせません。
案件が始まったら、定期的にクライアントとエンジニア双方にヒアリングを行い、稼働状況や課題を把握します。クライアントに対しては業務の進捗確認と満足度の確認、エンジニアに対しては業務環境やメンタル面のサポートを行います。
丁寧なフォローを継続することで、クライアントからの信頼が高まり、契約更新や追加発注につながります。さらに、信頼関係が深まれば、他の案件や取引先を紹介してもらえる可能性も高まります。
5.SES企業がエンド開拓を成功させるコツ
この章では、営業活動の記録と共有、効率的なリスト・スケジュール管理、営業支援ツールの活用、人脈の拡大といった成功のコツを解説します。
営業活動の記録と社内共有を徹底する
エンド開拓を成功させるには、営業活動の内容を細かく記録し、チーム内で共有する仕組みが不可欠です。
「いつ・誰に・どのようなアプローチをしたか」「相手の反応はどうだったか」を記録しておくことで、次のアクションを適切に判断できます。また、担当者が不在の際にも、他のメンバーが状況を把握して対応できるようになります。
記録がない状態で営業活動を続けると、同じ企業に複数の担当者が別々にアプローチしてしまうなどのトラブルが発生します。効率的かつ信頼性のある営業活動のために、記録と共有の仕組みを整備しましょう。
リスト・スケジュール管理を効率化する
営業リストとスケジュールを効率的に管理することで、エンド開拓の生産性を高めることができます。エンド開拓では多くの企業に同時にアプローチするため、管理が煩雑になりがちです。
リストが整理されていないと、アプローチ済みの企業に再度連絡してしまったり、フォローすべき企業を見落としてしまったりします。スケジュール管理も同様に重要です。アポイントの日時を正確に把握していないと、ダブルブッキングや訪問忘れが発生し、せっかくの商談機会を逃すことになります。
営業支援ツール(CRM/SFA)を活用する
CRM(顧客関係管理)やSFA(営業支援システム)を導入することで、エンド開拓営業の効率と精度を大幅に向上させることができます。
CRMは顧客情報や行動履歴、問い合わせ履歴などを一元管理し、顧客との関係性を継続的に強化するための仕組みです。 SFAは営業活動や商談の進捗を見える化し、案件管理や予実管理などを通じて営業プロセスの改善を支援する仕組みです。
なお、近年はCRMとSFAの機能をあわせ持つツールも多く、企業の運用目的に応じて使い分けます。 これらを活用することで、営業担当者間での情報共有がスムーズになり、属人化を防ぐことができます。
CRMとSFAの機能比較
ツール種別 |
主な機能 |
導入メリット |
|---|---|---|
CRM |
顧客情報管理、行動・対応履歴管理、問い合わせ履歴管理 |
顧客データの一元化、対応漏れ防止、関係性の強化 |
SFA |
営業進捗管理、案件管理、行動管理、予実管理、レポーティング |
営業活動の可視化、標準化、効率化 |
ツール導入と合わせて、人脈を広げる活動も継続しましょう。
人脈の輪を広げる
業界内の人脈を広げることは、エンド開拓の機会を増やすための重要な取り組みです。
IT交流会やセミナー、業界イベントに参加することで、エンドクライアントやSIerの担当者、同業他社の営業担当者と接点を持つことができます。その場では直接的な営業をしなくても、関係性を築いておくことで、後日の商談や案件紹介につながる可能性があります。
SNSを活用した情報発信も有効です。LinkedInやX(旧Twitter)で業界情報を発信したり、他の担当者と交流したりすることで、オンライン上でも人脈を広げることができます。
6.SES企業のエンド開拓営業時の注意点
この章では、商流の深さによる利益への影響、与信管理の重要性、小規模SES企業が直面しやすい課題など、エンド開拓時に注意すべきポイントを解説します。
商流が深くなりすぎると利益が残らない
商流が深くなればなるほど中間マージンが増え、SES企業の利益は圧迫されます。
たとえば、エンド企業が月額100万円で発注した案件でも、4次請け・5次請けの立場で受注すると、手元に残る金額は60〜70万円程度まで下がることがあります。そこからエンジニアへの報酬や諸経費を差し引くと、企業の粗利はわずかしか残りません。
商流が深い案件ばかりを受注していると、利益率の低さからエンジニアへの還元が難しくなり、人材流出につながるリスクもあります。エンド開拓を進める理由の一つは、この商流を浅くして利益率を改善することにあります。
与信管理不足による倒産リスクに備える
取引先の与信管理を怠ると、売掛金の回収不能や連鎖的な経営悪化といったリスクに直面する可能性があります。
エンド開拓で新規取引を開始する際は、相手企業の財務状況や支払い実績を確認することが重要です。特に、設立間もない企業や業績が不安定な企業との取引では、契約条件や支払いサイトを慎重に設定する必要があります。
大手企業との取引であっても、支払い遅延が発生するケースはあります。与信調査サービスの活用や、契約書での支払い条件の明確化など、リスク管理の仕組みを整備しておきましょう。
小規模SES企業の場合は失敗するケースも
設立間もない小規模SES企業がエンド開拓に注力しすぎると、かえって事業が不安定になるリスクがあります。
エンドクライアントや大手SIerは、取引先に対して一定の実績や信用力を求めることが多く、新興企業が取引口座を開設するハードルは高めです。また、まとまった人数のエンジニアを提案できない場合、大型案件を受注しても対応が難しくなります。
小規模な段階では、まずパートナー企業との協業で実績を積み、信用力を高めてからエンド開拓に本格的に取り組む方が、リスクを抑えながら事業を拡大できます。
小規模SES企業が取るべきステップ
まずはパートナー企業経由で案件を獲得し実績を作る
エンジニア数を増やし、提案の幅を広げる
実績と信用力が高まった段階でエンド開拓を本格化する
7.まとめ
本記事では、SES企業がエンド開拓を行う必要性から、具体的な営業先の種類、開拓方法と手順、成功のコツ、そして注意点まで幅広く解説してきました。
エンド開拓は短期間で成果が出る施策ではありませんが、商流を浅くすることで利益率が向上し、エンジニアへの還元率も高められます。
まずは営業先リストの作成から着手し、テレアポやメール営業、交流会への参加などを地道に継続しながら、信頼関係を築いていくことが重要です。営業活動を効率化するには、CRMやSFAといったツールの導入も検討してみてください。
IT人材の需要が高まり続ける中、エンド開拓に成功したSES企業は競争力を大きく高めることができます。既存のパートナー企業との関係も大切にしながら、バランスを意識してエンド開拓に取り組んでいきましょう。
本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。