【この記事の結論】
・SES契約はエンジニアの技術力を提供する契約で、法律上は準委任契約に該当します。
・成果物の完成義務はなく、エンジニアの業務遂行や稼働時間に対して報酬が発生します。
・取引には基本契約書と個別契約書に加え、情報漏洩を防ぐ秘密保持契約書が必要です。
・発注者からの直接指示は偽装請負となるため、契約書で指揮命令系統を明確化します。
・SES契約書は原則として印紙税が不要ですが、記載内容により課税対象となります。
SES(システムエンジニアリングサービス)契約の締結にあたって、契約書の準備は避けて通れない実務のひとつです。「どの種類の契約書を用意すればよいのか」「準委任契約とはどう関係するのか」と疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。
しかし、契約書の種類や記載項目を正しく理解しないまま手続きを進めてしまうと、偽装請負のリスクや印紙税の課税判断で思わぬトラブルに発展しかねません。
本記事では、SES契約と準委任契約の関係性を整理したうえで、契約書の種類ごとの役割、盛り込むべき記載項目、印紙税の要否、偽装請負の防止策、さらにテンプレート活用や電子契約の注意点までをわかりやすく解説します。
目次
1.SES契約とは?
この章では、SES契約の基本的な意味と準委任契約との法的な関係性について見ていきましょう。
SESとは「システムエンジニアリングサービス」の略称
SES(System Engineering Service)とは、エンジニアの技術力や労働力をクライアント企業に提供する契約形態です。SES契約ではエンジニアがクライアント先に常駐し、システム開発や保守・運用などの業務に従事します。
ただし、成果物の納品ではなく「業務の遂行」そのものに対して報酬が発生する点が特徴です。たとえば、運用保守業務にエンジニアを3名配置し、月額単価×稼働時間で報酬を算定する形が典型的なSES契約にあたります。
IT業界では人材不足を背景にSES契約の活用が広がっており、プロジェクト単位で柔軟にエンジニアを確保できる利点があります。
SES契約と準委任契約の関係
SES契約は法律上「準委任契約」に該当し、民法第656条 に基づいて法律行為以外の事務処理を委託する契約類型です。
エンジニアの技術提供はこの「法律行為以外の事務」にあたるため、SES契約書のタイトルが「業務委託契約書」であっても法的性質は準委任契約です。
準委任契約では受託者に「善管注意義務(善良な管理者の注意義務)」が課されるため、エンジニアは誠実な業務遂行の義務を負いますが、成果物の完成責任は負いません。
SES契約書を作成する際は、準委任である旨を契約書内に明記しておくと、請負契約との混同を防ぎやすくなります。
準委任契約の種類|履行割合型と成果完成型
準委任契約には「履行割合型」と「成果完成型」の2つの類型があり、SES契約で一般的に採用されるのは履行割合型です。履行割合型はエンジニアの稼働時間や工数に応じて報酬を支払う方式で、業務の完了義務はなく、稼働した分だけ報酬が発生します。
一方、成果完成型は業務の成果に対して報酬が発生し、成果物が未完成の場合はクライアントが得た利益の割合に応じた部分報酬となります。
報酬の発生基準や業務の完了義務など、両者の主な違いは以下の表のとおりです。
項目 |
履行割合型 |
成果完成型 |
|---|---|---|
報酬の発生基準 |
労働時間・工数に応じて発生 |
成果の完成に応じて発生 |
業務の完了義務 |
なし(誠実な業務遂行が求められる) |
あり(ただし請負ほど厳格ではない) |
未完成時の報酬 |
稼働した分だけ支払い義務あり |
クライアントが得た利益の割合で支払い |
SESでの採用頻度 |
高い(一般的) |
低い(案件により採用) |
契約書には履行割合型・成果完成型のどちらを採用するのかを明確に記載しておくことが大切です。
2.SES契約と請負契約・派遣契約・委任契約の違い
この章では、SES契約と他の契約形態の違いを整理します。契約形態ごとの特徴を把握することで、SES契約書の作成時に意識すべきポイントが明確になります。
請負契約の違い
SES契約(準委任契約)と請負契約の最大の違いは、「成果物の完成責任」の有無です。請負契約では受託者が成果物を完成させる義務を負い、仕様どおりの納品がなければ報酬を受け取れません。
一方、SES契約には完成義務がなく、エンジニアが業務に従事した時間や工数に対して報酬が発生します。たとえば、Webアプリケーション開発を請負契約で受注した場合はシステムの納品が報酬の条件ですが、SES契約では稼働時間が報酬の根拠です。
また、請負契約には契約不適合責任(旧・瑕疵担保責任)が適用されるのに対し、SES契約では善管注意義務にとどまります。
派遣契約の違い
SES契約と派遣契約は、どちらもエンジニアがクライアント先で業務に従事する点は共通ですが、「指揮命令権の所在」が決定的に異なります。派遣契約では派遣先企業がエンジニアに直接指揮命令を行えるのに対し、SES契約では受託企業(ベンダー)側の責任者を通じて指示する形です。
クライアントがエンジニアへ直接指揮命令を行った場合は「偽装請負」と判断されるリスクがあり、この区別はSES契約の適法性に直結します。
なお、派遣契約では派遣元企業に労働者派遣事業の許可が必要ですが、SES契約では不要で、両者の主な違いは以下の表のとおりです。
比較項目 |
SES契約(準委任) |
派遣契約 |
|---|---|---|
指揮命令権 |
受託企業(ベンダー)にある |
派遣先企業にある |
許認可の要否 |
不要 |
労働者派遣事業許可が必要 |
報酬の対象 |
業務の遂行(時間・工数) |
労働時間 |
労働者保護 |
善管注意義務 |
派遣先の就業規則が適用 |
契約不適合責任 |
なし |
なし |
SES契約と派遣契約の境界線を正しく理解しておくことは、偽装請負リスクの回避に不可欠です。
委任契約の違い
委任契約は「法律行為」の遂行を委託する契約であり、弁護士への訴訟代理や司法書士への登記手続きの依頼が代表的な例です。SES契約は「法律行為以外の事務」にあたる技術提供を委託する準委任契約に該当するため、委任契約とは対象業務の範囲が異なります。
ただし、委任契約と準委任契約はどちらも民法上の委任の規定(民法643条〜656条)が適用される点は共通です。SES契約書の種類や内容を確認する際は、自社の契約が法律行為を対象としているのか、技術提供などの事実行為を対象としているのかを見極めることが大切です。
3.SES企業と交わす契約書の種類
この章では、SES企業との取引で必要になる3種類の契約書について解説します。それぞれの役割を理解し、抜け漏れのない契約体制を構築してください。
基本契約書|継続取引の基本ルールを定める契約書
基本契約書は、SES企業とクライアント間で継続的に取引する際の基本条件を定める契約書です。業務範囲の大枠や報酬の支払条件、契約期間、契約解除の要件、秘密保持、損害賠償の範囲などを包括的に規定します。
基本契約書を締結しておくと案件ごとに細部まで交渉し直す手間が省け、取引の安定性を保つことが可能です。たとえば、支払サイトを「月末締め翌月末払い」と定めておくと、個別案件ごとに支払条件を改めて協議する必要がなくなります。
基本契約書はSES契約の土台にあたるため、締結前に法務部門や弁護士のチェックを受けておくことが望ましいです。
個別契約書(注文書・請書)|案件ごとの条件を定める契約書
個別契約書は、基本契約書の枠組みをもとに、プロジェクトごとの具体的な条件を取り決める契約書です。注文書と請書のやり取りで成立する形式が一般的で、業務内容の詳細やエンジニアの人数・スキル要件、報酬単価などを記載します。
精算幅(月間の基準稼働時間と上限・下限の幅)や契約期間も、個別契約書に定めるべき重要な項目です。基本契約書と個別契約書の内容が矛盾した場合の優先関係は、あらかじめ基本契約書側に定めておくとトラブルを防げます。
なお、実務では月単位や四半期単位で更新するケースが多いため、更新漏れが起きないよう管理体制を整えておくことが大切です。
秘密保持契約書(NDA)|情報漏洩リスクに備える契約書
秘密保持契約書(NDA:Non-Disclosure Agreement)は、取引過程で開示される機密情報の取り扱いルールを定める契約書です。
SES契約ではエンジニアがクライアント企業の社内システムやソースコード、顧客データなどにアクセスする場面が多く、NDAの締結は欠かせません。NDAには秘密情報の定義、秘密保持義務の範囲と期間、情報の返還・廃棄義務、違反時の損害賠償などを盛り込みます。
基本契約書内に秘密保持条項を設ける方法もありますが、機密性の高いプロジェクトでは独立したNDAを別途締結する方が情報管理の実効性は高まります。
4.SES契約書に盛り込むべき記載項目
この章では、SES契約書に記載すべき主要な項目を5つのカテゴリに分けて解説します。記載漏れはトラブルの原因になるため、チェックリストとして活用してください。
業務内容・契約期間・契約解除に関する条項
SES契約書の冒頭に定めるべき最重要項目は、業務内容・契約期間・契約解除の3つです。業務内容は「システム運用保守業務」「アプリケーション開発支援業務」など具体的な作業範囲を明記し、あいまいな記載は偽装請負の温床になりかねません。
契約期間は始期と終期を明示し、自動更新条項を設ける場合はその条件と解約申入れの期限も記載します。契約解除については、任意解除の条件と予告期間、債務不履行時の催告解除、反社会的勢力に基づく即時解除など複数のケースを想定して規定してください。
2024年11月施行のフリーランス保護新法では、6か月以上の業務委託契約の中途解除・更新拒絶に30日前までの予告が義務化されています。
報酬・精算幅・支払条件の定め方
報酬に関する条項はSES契約書のなかでもトラブルに発展しやすく、報酬額の算定方法として月額・日額・時間単価のいずれを採用するかを明示する必要があります。
精算幅(たとえば月140〜180時間を基準に超過・不足分を時間割で精算する方式)の基準時間と精算単価も具体的に記載してください。支払条件は締め日と支払日、振込手数料の負担先、消費税の取り扱いを定めることが必要です。
フリーランス保護新法により「給付の受領日から60日以内」の支払いが義務づけられているため、従来の支払サイトが基準を超えていないか確認してください。
著作権の帰属と知的財産権の取り決め
SES契約では、業務中に作成されたプログラムやドキュメントの著作権がどちらに帰属するかを契約書で定めておくことが重要です。著作権法上、著作物の著作権は原則として創作者(エンジニアの所属する受託企業)に帰属します。
クライアント側に移転させる場合は「著作権(著作権法第27条・第28条の権利を含む)を発注者に譲渡する」旨を明記してください。この「第27条・第28条を含む」の文言がないと、翻案権や二次的著作物の利用権が移転しないと解釈される可能性があります。
また、著作者人格権は譲渡できないため、受託者が著作者人格権を行使しない旨の条項を設けるのが実務上の一般的な対応です。
秘密保持条項・反社条項の記載
秘密保持条項と反社会的勢力排除条項は、SES契約書に必ず盛り込むべきリスク管理条項です。秘密保持条項では「秘密情報の定義」「例外規定(公知の情報や第三者から適法に入手した情報など)」「存続期間」「違反時の措置」を定めます。
存続期間は契約終了後も2〜3年間継続させるケースが多いため、期間設定には注意が必要です。反社条項は、取引相手が暴力団等の反社会的勢力に該当しないことを表明保証し、該当した場合に催告なく即時解除できる旨を規定します。
各都道府県の暴力団排除条例とも関連し行政指導の対象となり得るため、定型的な文言であっても省略せずに記載してください。
損害賠償・善管注意義務・再委託禁止の規定
SES契約の損害賠償条項では、賠償範囲を「直接かつ現実に生じた通常損害に限る」とするのが一般的です。上限額を「受託者が受領済みの報酬の●か月分」と設定するケースも多く、受託企業のリスクコントロールに直結します。
善管注意義務は準委任契約に法定される義務で、契約書に改めて明記しておくと義務の内容が当事者間で共有され、紛争時の立証根拠にもなります。
再委託(下請けへの再発注)は原則禁止とし、やむを得ない場合にはクライアントの事前書面承諾を条件とする規定を設けるのが標準的です。SES契約では指揮命令系統の明確化が特に重要なため、再委託先の管理責任を受託企業に課す条項も検討してください。
5.SES契約書に印紙税って必要?
この章では、SES契約書に収入印紙の貼付が必要かどうかを解説します。原則と例外の両面を理解し、不要な税負担や貼付漏れを防いでください。
準委任契約書は原則として印紙不要
SES契約書は法的に準委任契約に該当するため、原則として収入印紙の貼付は不要です。印紙税法では課税対象となる文書(課税文書)を第1号から第20号まで列挙していますが、準委任契約書はそのいずれにも該当しません。
「業務委託契約書」というタイトルであっても、内容が準委任契約なら非課税文書として扱われます。印紙税がかかるかどうかは契約書のタイトルではなく記載内容で判断されるため、一般的なSES契約書(基本契約書・個別契約書)には収入印紙を貼る必要はありません。
ただし、契約書の内容次第では例外的に課税対象となるケースがあります。
印紙税が必要になる例外ケース
SES契約書であっても、以下のような内容が含まれる場合は印紙税の課税対象になる可能性があります。
特許権・著作権などの無体財産権の譲渡条項が含まれる場合:
印紙税法上の第1号文書に該当し得るため、著作権譲渡条項を盛り込む際は注意が必要です。
継続的な売買の委託や業務の継続委託に該当する場合:
第7号文書にあたる可能性があります。契約期間が3ヶ月を超え自動更新条項がある基本契約書は、4,000円の印紙税の課税対象です。
課税文書に該当するかの判断は専門性が高いため、実務では税務署や税理士への確認が推奨されます。なお、電子契約で締結した場合は印紙税が不要となるため、コスト削減策として導入を検討するのも一つの方法です。
6.SES契約で偽装請負と判断されないための対策
この章では、SES契約が偽装請負と判断されるリスクとその防止策を解説します。契約書の作成段階から実務運用まで、具体的な対策を押さえてください。
偽装請負に該当する3つの基準を理解する
偽装請負とは、契約形式上は準委任契約(SES契約)や請負契約でありながら、実態が労働者派遣に該当している状態です。厚生労働省の「37号告示」では、適法な請負・準委任と認められるために以下の要件を満たすことが求められています。
受託企業が自己の雇用する労働者の労働力を自ら直接利用していること(労務管理の自己責任)
受託した業務を自己の業務として、発注者から独立して処理していること(業務処理の独立性)
クライアントが特定のエンジニアを指名・選別していないこと(37号告示の疑義応答集で問題視される行為)
クライアント企業がエンジニアの業務遂行方法を直接指示したり、労働時間や配置を直接管理したりしている場合は、偽装請負と判断されるリスクが高まります
指揮命令系統を契約書に明記する
偽装請負を防ぐには、SES契約書で指揮命令系統を明確に定めることが不可欠であり、契約書には以下の項目を具体的に記載してください。
受託企業側の業務責任者(現場管理者)の氏名または役職を記載し、エンジニアへの業務指示はこの責任者を通じて行う旨を明記する
クライアント企業がエンジニアに直接業務指示を行わないことを確認する条項を設ける
エンジニアの勤怠管理(出退勤の記録・残業の承認など)は受託企業が行うことを明記する
業務に必要な機材・ツールは原則として受託企業が調達する旨を記載する(クライアントから貸与する場合は別途賃貸借契約を締結する)
現場での運用が契約内容と一致していることも重要なため、定期的にエンジニアへヒアリングを行い、クライアントからの直接指示がないかを確認する体制を整えてください。
偽装請負の罰則を把握してリスクを防ぐ
偽装請負と判断された場合、ベンダー側・クライアント側の双方に法的リスクが生じます。
ベンダー側が労働者派遣事業の許可を得ていない場合:
労働者派遣法第59条2号に基づき、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があります
クライアント側:
厚生労働大臣から是正指導や改善命令が出されるほか、企業名が公表されるリスクがあります
職業安定法第44条(労働者供給事業の禁止)に該当する場合は、さらに重い罰則(1年以下の懲役または100万円以下の罰金)の対象です
偽装請負はベンダー・クライアント双方の信用にも影響するため、契約締結時と運用時の両面で37号告示の基準を確認し、法令遵守を徹底してください。
7.SES契約書のテンプレート活用法と電子契約の注意点
この章では、テンプレートを活用したSES契約書の作成方法と、関連する法令および電子契約の実務上の注意点を解説します。
テンプレートを使う前に確認すべきポイントを押さえる
インターネット上にはSES契約書のテンプレート(ひな形)が多数公開されていますが、そのまま使用するのは避けてください。
SES契約は取引条件によって記載内容が大きく異なるため、テンプレートは参考にとどめ、自社の取引実態に合わせてカスタマイズしたうえで以下の点を確認してください。
テンプレートが準委任契約の形式になっているか(請負契約のテンプレートを流用すると、成果物の完成義務を含む条項が混入する恐れがある)
指揮命令系統に関する条項が明記されているか(偽装請負対策の観点で不可欠)
報酬・精算幅の算定方法が自社の取引条件と一致しているか
著作権の帰属や秘密保持に関する条項が含まれているか
テンプレートを出発点としつつ、法務部門や弁護士の確認を経て最終化するプロセスを踏むと、契約リスクを低減できます。
フリーランス法・下請法の影響を確認する
2024年11月施行のフリーランス保護新法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)は、SES契約にも大きな影響を及ぼしています。
フリーランス(従業員を使用しない個人事業主または一人法人)に業務委託を行う場合、発注者には以下の義務が課されます。
取引条件の明示義務(業務内容、報酬額、支払期日などを書面またはメール等で明示)
報酬の支払期日の遵守(給付の受領日から60日以内)
1か月以上の業務委託における7つの禁止行為(受領拒否、報酬減額、買いたたきなど)
6か月以上の業務委託における中途解除・不更新の30日前予告義務
資本金が一定規模以上の企業がフリーランスに発注する場合は、下請法(下請代金支払遅延等防止法)も適用される可能性があります。2026年1月には下請法の改正施行も予定されているため、SES契約書のひな形は定期的に見直すことが求められます。
電子契約で締結する際の注意点を理解する
SES契約書を電子契約で締結するケースが増えており、印紙税が不要になる点や契約締結のスピード向上、契約書の管理・検索が容易になる点がメリットです。
ただし、導入する際には以下の点に注意が必要です。
電子署名法に基づく本人性の確認が担保される電子契約サービスを選択する(当事者署名型・事業者署名型(立会人型)の違いを理解しておく)
フリーランス保護新法では取引条件の明示方法として「電磁的方法」が認められているが、フリーランス側が書面交付を求めた場合は書面での対応が必要
契約書の改ざん防止のため、タイムスタンプ機能を備えたサービスの利用が推奨される
電子帳簿保存法の要件(検索機能・保存期間など)に適合した方法で契約データを保管する
コスト削減と業務効率化の両面で有効ですが、法的要件を満たさない運用はリスクになるため、自社の取引規模や取引先の対応状況を踏まえて導入を検討してください。
8.まとめ
本記事では、SES契約書の種類と記載すべき項目、印紙税の取り扱い、偽装請負対策、テンプレート活用法まで体系的に解説しました。
SES契約は準委任契約に該当し、基本契約書・個別契約書・NDAの3種類を正しく使い分けたうえで、業務内容や報酬、著作権、指揮命令系統といった各項目を漏れなく盛り込むことが重要です。
契約書の整備を進めるにあたっては、まず自社の既存契約書を本記事のチェック項目と照らし合わせるところから始めてみてください。不足している条項や曖昧な記載がないかを確認し、必要に応じて法務部門や弁護士と連携して修正を進めることが、トラブルを未然に防ぐ第一歩です。
フリーランス保護新法の施行や下請法の改正など、SES契約を取り巻く法的環境は変化を続けています。契約書は一度作成して終わりではなく、法改正や取引条件の変化に合わせて定期的に見直していく姿勢が今後ますます求められます。
本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。