SESと派遣・特定派遣の違いとは?契約形態や廃止された理由・メリットとデメリットまでわかりやすく解説
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SESと派遣・特定派遣の違いとは?契約形態や廃止された理由・メリットとデメリットまでわかりやすく解説

公開日:2026/04/03最終更新日:2026/04/03
【この記事の結論】
  • SESと派遣の最大の違いは指揮命令権の所在であり、SESは所属企業が、派遣は派遣先企業が業務の指示を行います。
  • 特定派遣は2015年の法改正により廃止され、現在は全ての派遣事業に厚生労働大臣の許可取得が義務付けられています。
  • SES契約でクライアントから直接指示を受けると偽装請負と見なされ、是正命令や罰則の対象となる恐れがあります。
  • 一般派遣は契約終了で雇用が途切れますが、SES企業の多くは正社員雇用のため、客先常駐でも雇用が安定しています。
  • 客先常駐の働き方は現在、準委任契約のSESと、無期雇用派遣を含む労働者派遣の二つの形態に集約されています。


IT業界でキャリアを検討する際、SES・一般派遣・特定派遣の違いが分かりにくいと感じる方は少なくありません。


どちらもクライアント企業に常駐して業務を行う働き方であるため混同されやすいものの、契約形態や指揮命令権の所在、法律上の位置づけはそれぞれ大きく異なります。


「SESと派遣は具体的に何が違うのか」「特定派遣はもう存在しないと聞いたけれど本当か」といった疑問を持ちながらも、違いを正確に理解しないまま契約を結んでしまうと、キャリアや待遇面で思わぬ不利益を被る可能性があります。


本記事では、SES(準委任契約)・一般派遣(登録型派遣)・特定派遣(常用型派遣)それぞれの定義と違いを整理したうえで、2015年の派遣法改正による特定派遣の廃止背景やIT業界への影響、さらにはSES・派遣それぞれのメリット・デメリットや契約時のチェックポイントまでわかりやすく解説します。


目次

1.SESと派遣・特定派遣の違いとは?

この章では、SES・一般派遣・特定派遣それぞれの定義と仕組みを整理し、三者の違いを比較表で確認します。

SES(準委任契約)とは

SESとは「System Engineering Service」の略称で、エンジニアの技術力をクライアント企業に提供する民法上の準委任契約(業務委託の一種)です。


最大の特徴は指揮命令権がSES企業(ベンダー側)にある点で、エンジニアはクライアント先に常駐しても、業務指示や勤怠管理はすべてSES企業が行います。成果物の納品義務はなく、月140〜180時間などの稼働範囲を定めたうえで労働時間に対して月額報酬を支払う仕組みが一般的です。

この報酬体系は成果物の完成に対して報酬が発生する請負契約とは大きく異なり、SES自体も労働者派遣法の適用対象外であるため、派遣契約とも法的な枠組みが別になります。

一般派遣(登録型派遣)とは

一般派遣(登録型派遣)とは、厚生労働大臣の許可を受けた派遣会社に登録した労働者が、派遣先企業で一定期間就業する雇用形態です。派遣先が決まった時点で派遣会社との雇用契約が発生するため、派遣先が見つかるまでの期間は雇用関係がなく給与も支払われません。


指揮命令権は派遣先企業が持ち、「今日はこのタスクを優先してほしい」といった業務の指示や進捗管理を派遣先の担当者が直接行います。

また、労働者派遣法の「3年ルール」により、同一の派遣先の同じ組織単位で3年を超える就業は原則として認められていません。3年を超える場合、派遣元企業には直接雇用の依頼や新たな派遣先の提供といった雇用安定措置が義務づけられています。

特定派遣(常用型派遣)とは

特定派遣(常用型派遣)とは、派遣元企業と常時雇用契約を結んだ労働者を派遣先に送る形態で、ITエンジニアなど専門性の高い職種を中心に活用されていました。


一般派遣との最大の違いは、派遣先が決まっていない期間も雇用関係が続く点で、プロジェクトの合間にも給与が支払われ社会保険や福利厚生も途切れません。


事業開始に必要な手続きも一般派遣の「許可制」とは異なる「届出制」だったため参入障壁が低く、2015年のピーク時には約7万件の事業所が存在していたとされています。ただし、2015年9月30日の労働者派遣法改正で制度自体が廃止となり、2018年9月29日の経過措置終了後は利用できなくなりました。

SES・一般派遣・特定派遣の違いを比較表で整理

SES・一般派遣・特定派遣は「クライアント企業で業務を行う」点では共通していますが、契約形態・指揮命令権・雇用の安定性に明確な違いがあります。

項目

SES(準委任契約)

一般派遣(登録型派遣)

特定派遣(常用型派遣)※廃止済

契約形態

準委任契約(業務委託)

労働者派遣契約

労働者派遣契約

適用法令

民法

労働者派遣法

労働者派遣法

指揮命令権

SES企業(ベンダー側)

派遣先企業

派遣先企業

雇用関係

SES企業と雇用契約

派遣先決定時に雇用契約

派遣元と常時雇用契約

報酬の対象

労働時間(技術提供)

労働時間

労働時間

成果物の納品義務

なし

なし

なし

雇用の安定性

SES企業の正社員が多い

派遣期間のみ雇用

常時雇用で比較的安定

事業の開始要件

特別な許認可は不要

厚生労働大臣の許可(許可制)

届出制(※廃止済)

現在の利用可否

利用可能

利用可能

2018年に完全廃止

三者の最も大きな違いは「指揮命令権の所在」と「契約の法的根拠」で、SESは業務委託の枠組みにより指揮命令権がベンダー側に残る一方、一般派遣・特定派遣では労働者派遣法に基づき派遣先企業が指揮命令権を持ちます。


特定派遣が廃止された現在、エンジニアの客先常駐型の働き方は事実上「SES」と「一般派遣(無期雇用派遣を含む)」の二択に集約されています。

2.特定派遣は2015年に廃止されている

この章では、特定派遣が廃止された具体的な理由と、廃止後の派遣制度の変化、現在の無期雇用派遣との違いを解説します。

特定派遣が廃止された理由

特定派遣は「常時雇用による安定した働き方」が前提の制度でしたが、実態が趣旨とかけ離れていたため、主に以下の2つの理由から廃止されました。


1点目は、常時雇用のルールが守られなかったことです。本来は派遣元と無期限の雇用契約を結ぶ仕組みでしたが、実際には有期雇用の短期契約で働かせるケースが多発し、一般派遣と変わらない不安定な雇用が生まれていました。


2点目は、届出制で参入障壁が低かったことです。資金力や管理体制が不十分な企業も参入し、給与未払いや突然の解雇といったトラブルが発生していました。

こうした問題を受け、2015年9月30日施行の改正労働者派遣法により特定派遣制度は廃止されています。

廃止後は「労働者派遣事業」に一本化された

特定派遣の廃止により、派遣事業は「労働者派遣事業」に一本化され、すべての事業者に厚生労働大臣の許可が必要になりました。


改正前は「一般労働者派遣事業(許可制)」と「特定労働者派遣事業(届出制)」の二本立てでしたが、この区分は撤廃されています。許可取得には基準資産額2,000万円×事業所数以上・現預金額1,500万円×事業所数以上などの厳しい要件があり、参入のハードルは大幅に上がりました。


なお、2018年9月29日まで経過措置で旧特定派遣事業の継続が認められていましたが、それ以降は許可未取得の事業者に撤退かSES等への切り替えが求められました。


この一本化で全事業者に資産要件・キャリアアップ措置・雇用安定措置が義務づけられ、派遣労働者の保護水準は向上しています。一方で、旧特定派遣に近い働き方として「無期雇用派遣」という選択肢も新たに登場しています。

特定派遣と現在の無期雇用派遣の違い

現在の派遣制度には旧特定派遣に近い仕組みとして「無期雇用派遣」があり、派遣会社と期間の定めのない雇用契約を結んだうえで派遣先企業に派遣される働き方です。


派遣先が未定の期間も雇用関係が途切れず給与が支払われるため、旧特定派遣と同様の安定した働き方が実現します。ただし、届出制だった旧特定派遣とは異なり現在は許可制のもとで運営されており、派遣会社への管理基準は格段に厳格です。

具体的には、派遣元企業にキャリアアップ教育の実施義務や、3年以上就業した派遣労働者への雇用安定措置が課されています。

項目

特定派遣(※廃止済)

無期雇用派遣(現行制度)

雇用契約

常時雇用(無期が前提)

無期雇用契約

事業の開始要件

届出制

許可制

派遣元への規制

比較的緩い

資産要件・教育義務あり

雇用安定措置

義務なし

法律で義務化

3年ルール

適用対象外だった

無期雇用のため対象外

このように無期雇用派遣は、旧特定派遣の「雇用の安定」という長所を引き継ぎつつ制度上の問題点を改善した形態です。

3.特定派遣廃止がSES・IT業界に与えた影響

この章では、特定派遣の廃止がSES市場やIT企業のエンジニア調達にどのような変化をもたらしたかを解説します。

SESを活用する企業が増加した

特定派遣の廃止により派遣事業が許可制へ移行した結果、資産要件や教育体制の整備をクリアできない中小IT企業が派遣業から撤退しました。


こうした企業の多くは、労働者派遣法の適用外で許認可が不要なSES契約(準委任契約)に切り替え、エンジニアの技術力を提供する形へ移行しています。現在もSESはIT業界における客先常駐型サービスの主要な契約形態として定着しています。

準委任契約・請負契約への切り替えが進んだ

特定派遣の廃止後、一般派遣の許可取得が困難だった企業を中心に、労働者派遣法の適用対象外である準委任契約(SES)や請負契約への切り替えが進みました。


ただし、契約書上は準委任契約でもクライアントがエンジニアに直接業務指示を出している場合、業務実態に基づき労働者派遣と判断されます。名称だけの変更では偽装請負のリスクを避けられないため、指揮命令系統の実態を適正に整理する必要があります。

SESで偽装請負のリスクが増した

特定派遣からSES契約への切り替えが進んだ結果、契約上は業務委託でもクライアントが直接指揮命令を行う「偽装請負」のリスクが高まりました。


以下のような状況は偽装請負に該当する可能性があります。

  • クライアントがエンジニアの勤務時間や作業内容を直接管理・指示している

  • クライアントがエンジニアの人事評価を決定し社員同等のルールに従わせている

違反が認定された場合、行政指導や改善命令に加え、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されます(労働者派遣法第59条 )。


なお、厚生労働省は37号告示や疑義応答集で判断基準を示しており、SES契約では指揮命令系統の適正な維持が欠かせません。

4.SESのメリット・デメリット

この章では、SESで働くことの利点とリスクを、エンジニアの視点から具体的に解説します。

SESで働くメリット

様々な現場で経験が積める

SESエンジニアは案件単位でクライアント先に常駐するため、金融系システムの開発やECサイトの保守運用、官公庁の基盤構築など業種・技術領域を問わず幅広い実務経験を積めます。


たとえばJavaによるウォーターフォール開発の後にPythonのアジャイル開発へ参画するなど、短期間で多様な技術スタックや開発手法に触れられる点は、経験の浅いエンジニアにとって特に大きなメリットです。

残業をコントロールしやすい

SES契約では月140〜180時間のように稼働時間の上限・下限を定めるのが一般的で、上限を超えるとクライアント側に追加費用が発生するため、過度な残業が起きにくい仕組みになっています。


繁忙期に残業が増えるケースはあるものの、正社員として自社開発に従事する場合と比べると、契約ベースで労働時間が明確に管理されやすい傾向があります。

人脈が広がりやすい

SESでは常駐先が変わるたびにクライアント企業の社員やパートナー企業のエンジニアと協業するため、社内に閉じがちな正社員と比べて社外ネットワークが広がりやすくなります。


こうした人脈は、将来のキャリアチェンジやフリーランスへの独立を検討する際にも役立ちます。

SESで働くデメリット

帰属意識が薄れやすい

SESエンジニアはクライアント先で業務を行い、自社の同僚とは月に一度の帰社日程度しか顔を合わせないケースも多いため、所属企業への帰属意識が薄れやすくなります。


「自分がどの会社に属しているのか」が曖昧になりやすい環境は、モチベーション低下や離職率の上昇、自社内でのキャリアパス構築の難しさにもつながる問題です。

プロジェクトに最後まで関われない

SES契約は期間が決まっているため、大規模システム開発のように要件定義からリリースまで1年以上かかるプロジェクトでも、契約期間の都合で途中離脱を余儀なくされるケースがあります。


「自分が手がけたシステムの稼働を見届けたい」という思いが叶わず、達成感を得にくいと感じるエンジニアも存在します。

スキルアップしにくい環境がある

SES契約では担当業務がコーディングやテストなど特定工程に限られるケースが少なくなく、企画・要件定義・アーキテクチャ設計といった上流工程に携わる機会が限定されがちです。そのため、実装力は身につく一方で設計力やマネジメント力が伸びにくいという

課題が出てきます。スキルアップを意識する場合は、案件選びの段階で担当工程や使用技術を確認し、自己研鑽と並行して計画的にキャリアを構築する姿勢が重要です。

5.派遣エンジニアのメリット・デメリット

この章では、派遣契約で働くエンジニアのメリットとデメリットを、SESとの違いにも触れながら解説します。

派遣エンジニアのメリット

働く時間や場所を選びやすい

派遣エンジニアは派遣会社への登録時に「週4日勤務」「リモートワーク可」「残業なし」といった希望を伝え、条件に合う案件を紹介してもらえます。


正社員では難しい柔軟な働き方を選びやすく、育児・介護との両立や副業・学習に時間を充てたいエンジニアにとってメリットの大きい勤務形態です。

大手企業で働ける機会がある

大手企業やメガベンチャーはプロジェクト単位で外部エンジニアを必要とするケースが多く、派遣という形なら正社員入社が難しい企業にも比較的スムーズに参画できます。


大規模開発やセキュリティ基準、品質管理プロセスを間近で学べるうえ、派遣期間中の実績が評価されると直接雇用(正社員登用)の打診を受ける場合もあります。

契約外の業務を断りやすい

労働者派遣法は派遣先が契約範囲を超えた業務指示を出すことを制限しており、たとえばシステム開発の契約で事務作業を求められても「契約範囲外」として断れます。


SES契約にも同様の原則はありますが、派遣では派遣会社が間に入って調整するため、エンジニア個人の対応負担が軽減される点が特徴です。

派遣エンジニアのデメリット

雇用が不安定になりやすい

一般派遣では派遣先との契約終了と同時に雇用関係も終わり、次の派遣先が決まるまで無給で社会保険にも期間が生じます。また、3年ルールにより同じ組織での就業は3年が上限で、直接雇用に切り替わらず契約終了となるケースも少なくありません。

安定性を重視する場合は、無期雇用派遣やSES企業の正社員ポジションも選択肢に含めて検討する必要があります。

給与が上がりにくい

派遣の報酬は時給制が基本で、同じ派遣先に長く勤めても大幅な時給アップは見込みにくく、正社員のような定期昇給やボーナスの仕組みも基本的にありません。


ただし2020年施行の「同一労働同一賃金」の法改正により、派遣先の正社員と同等の業務を担う場合は待遇差の是正が求められるなど、処遇改善は進みつつあります。

責任ある仕事を任されにくい

派遣先企業にとって派遣エンジニアは期間限定の戦力であるため、要件定義やアーキテクチャ設計といった上流工程よりも実装やテストなど作業ベースの業務が中心になりがちです。


そのため、マネジメント経験やプロジェクトリーダーのキャリアを目指す方にとっては、派遣の枠組みのままでは希望の実現が難しいケースが出てきます。

6.SESと派遣はどちらを選ぶべき?タイプ別の判断基準

この章では、SESと派遣それぞれに向いているエンジニアの特徴と、契約前に確認すべきチェックポイントを紹介します。

SESが向いている人の特徴

SESは、幅広い技術経験を短期間で積みたい方や、自分のペースでキャリアを組み立てたい方に適した働き方です。


具体的には以下のような人に向いています。

  • 多様なプロジェクトを経験し、技術の幅を広げたい人

  • 特定の企業にとどまらず、環境を変えながら成長したい人

  • 将来的にフリーランスエンジニアとしての独立を視野に入れている人

  • SES企業の正社員として雇用の安定を確保しつつ客先常駐で働きたい人

SESエンジニアはSES企業の正社員として雇用されるケースが多く、派遣と比較して雇用の安定性は高い傾向があります。一方、クライアントからの直接指揮命令がないぶん、自ら主体的にキャリアを考え案件を選ぶ姿勢が求められます。

派遣が向いている人の特徴

派遣は、勤務条件の自由度を重視するエンジニアや、特定の大手企業で経験を積みたい方に向いた働き方です。

  • 働く時間・場所・期間を自分で選びたい人

  • 大手企業やメガベンチャーでの勤務経験を積みたい人

  • ワークライフバランスを最優先したい人

  • 派遣先での実績を足がかりに正社員登用を目指したい人

派遣エンジニアは労働者派遣法の保護を受けられるため、契約範囲外の業務を断りやすく労働時間の管理も法的に担保されています。ただし、3年ルールによる雇用期間の制限があるため、長期的なキャリアプランは別途考えておく必要があります。

後悔しないために確認すべき契約チェックポイント

SES・派遣のいずれを選ぶ場合も、契約前に以下のポイントを確認しておきましょう。

  • 契約形態の確認:

    準委任契約(SES)か労働者派遣契約かを必ず書面で確認し、口頭の説明だけで判断しない

  • 指揮命令権の所在:

    業務指示を出すのが誰かを明確にし、SESでクライアントから直接指示を受ける場合は偽装請負の可能性を疑う

  • 稼働時間の上限・下限:

    月間の稼働時間範囲と超過時の精算方法を事前に確認する

  • 担当業務の範囲:

    契約書の記載内容と実際に求められる業務が一致しているか確認する

  • 契約期間と更新条件:

    期間の長さ・更新の有無・終了時の対応(次の案件紹介など)を事前に確認する

  • キャリアサポートの有無:

    所属企業がスキルアップ研修やキャリア面談を提供しているか確認する

とくにSES契約では偽装請負に該当しないかが重要な確認事項であり、厚生労働省の「労働者派遣・請負を適正に行うためのガイド」に目を通しておくと判断材料になります。

7.まとめ

SESと派遣はどちらも客先常駐型の働き方ですが、契約形態や指揮命令権の違いによって日々の業務環境やキャリアの方向性が大きく変わります。


本記事では、SES・一般派遣・特定派遣の違いから、特定派遣廃止の背景、それぞれのメリット・デメリット、契約時のチェックポイントまで幅広く解説しました。


自分に合った働き方を選ぶには、雇用の安定性・スキルアップの機会・ワークライフバランスのうち何を優先するかを整理することが大切です。そのうえで、契約形態や指揮命令権の所在、稼働時間の条件などを契約書で一つひとつ確認してください。

とくにSES契約では偽装請負のリスクがあるため、指揮命令系統が適正かどうかの確認は欠かせません。IT人材の需要が高まるなか、SESと派遣の違いを正しく理解し、自身のキャリア目標に合った契約形態を選ぶことがこれからますます重要になります。


フリーランスとしての独立を視野に入れている方は、両方を経験したうえで自分に合うスタイルを見極めるのも有効な選択肢です。


本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。

SESと派遣・特定派遣の違いとは?契約形態や廃止された理由・メリットとデメリットまでわかりやすく解説に関するよくある質問

最大の違いは指揮命令権の所在です。SESは準委任契約であり、指揮命令権は所属企業にあります。一方、派遣は派遣先企業が直接指示を出します。また、SESは民法、派遣は労働者派遣法が適用されるという法的枠組みの違いも重要です。
特定派遣とは、派遣元と常時雇用契約を結んだ労働者を派遣する形態です。一般派遣の許可制に対し届出制で参入しやすかったものの、実態が不透明で不安定な雇用を生むケースが多発したため、2015年に廃止され労働者派遣事業へ一本化されました。
契約上はSES(準委任契約)でありながら、実態としてクライアントがエンジニアに直接業務指示を出している状態を指します。これは労働者派遣法違反となり、行政指導や罰則の対象となるリスクがあるため、指揮命令系統の適正な維持が不可欠です。
労働者派遣法により、同一の派遣先の同じ組織で3年を超えて就業することは原則認められません。3年を超える場合、派遣元には直接雇用の依頼や新たな派遣先の提供といった雇用安定措置が義務づけられています。無期雇用派遣の場合は対象外です。
一般的に月140〜180時間といった稼働範囲を定め、労働時間に対して月額報酬を支払う仕組みです。成果物の納品義務はなく、技術力の提供そのものが報酬の対象となります。請負契約のように完成が支払い条件ではない点が大きな特徴です。
様々な現場で幅広い技術スタックや開発手法を短期間で経験できる点です。また、稼働時間が契約で管理されるため過度な残業が起きにくく、社外ネットワークも広がりやすくなります。将来的にフリーランスとして独立を視野に入れている方にも適しています。
自社との接点が少ないため帰属意識が薄れやすく、契約期間の都合でプロジェクトを途中で離脱する場合がある点です。また、下流工程が中心の案件では上流工程のスキルアップが難しいこともあるため、自ら計画的にキャリアを構築する必要があります。
勤務時間や場所、残業の有無などを細かく指定しやすく、柔軟な働き方を選べる点です。また、大手企業やメガベンチャーへ参画できる機会も多く、派遣期間中の実績が評価されれば、その企業から直接雇用(正社員登用)の打診を受ける場合もあります。
一般派遣では契約終了と同時に雇用関係も途切れるため、雇用が不安定になりやすい点です。また、時給制が基本で大幅な昇給が見込みにくく、責任ある上流工程の仕事を任されにくい傾向があるため、長期的なキャリアプランの慎重な検討が求められます。
準委任か派遣かの契約形態、指揮命令権の所在、稼働時間の精算方法を書面で確認しましょう。また、担当業務の範囲や更新条件、所属企業によるスキルアップ支援の有無を確認し、自身のキャリア目標に合致しているか見極めることが大切です。

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この記事の監修者

SES Labo 編集部
SESLaboは、SES企業の経営者・管理職・営業担当者をはじめとするSES事業に携わるすべての方に向けて、営業戦略・エンジニア採用・契約管理・単価交渉から、業界の市場動向まで、SES事業の成長に直結する実務ノウハウや役立つ情報を日々発信しています。
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